主人公・エリクはアレトゼーの王子。
大国と大国の間に位置する関係から、主人公は幼い頃より人質として他国で育ってきた。
最も多くの時を過ごしたのは東に隣接する大国ビレンコーフェン。
そこで主人公は初恋をした。
ビレンコーフェンの年近い王女ロッテ・ビレンコーフェンにである。
「エリク! エリクはどこ!」
「ここだよ。ロッテ」
「もう! 何度言えばわかるのエリクは!
エリクのお父様よりロッテのお父様の方がエラいのよ。
だからロッテさまと呼ぶの!」
「あ……ごめん。ロッテさまだった」
「今日はお城の丘の向こうに行くわよ!」
「ええ……あそこには魔物が出るって……」
「何よ男のくせに! 出たらエリクが餌になってロッテを助けるの!」
「そ、そんなぁ……」
「ちゃんとロッテを守れたら、
エ、 エリクのお嫁さんになってあげてもいいわよ……」
「え!? ほんと!?」
二人はいつもこんな調子で多くの時間をともに過ごし絆を強くしていった。
時が過ぎ―――
二人は成長し、主人公は「アレトゼーの魔術師」と謳われる用兵家となり、ロッテは美しい姫へと育ち、戦場では「ビレンコーフェンの魔女」と恐れられる一騎当千の姫騎士となっていた。
二人の思いと別に世は戦国時代と呼ばれ、主人公は度重なる戦争の中ではからずもロッテの国と争うことに。
そして今、ロッテが立て籠もる城は落城しようとしていた……… |