伊藤俊輔(いとう しゅんすけ)は、美大への進学を希望している六浪中の浪人生。三浪した後、親からの仕送りも止められ、予備校へも通えなくなった俊輔は、その後バイトをしながら自宅で絵を描く日々を過ごしていた。
友人もなく、バイトの仲間からも疎まれている俊輔は、ある日、栄養失調で倒れてしまう。必死になって病院へ向かった俊輔は、病院の玄関先で動けなくなってしまい、誰もが冷ややかな視線で俊輔を見下ろす中、一人の女性だけが優しく話しかけて来てくれた。
それは、その病院で事務手伝いをしている紺野瑞穂(こんの みずほ)だった。
瑞穂の美しさと優しさに心打たれた俊輔は、大した用もないのに病院へ行き彼女の横顔を眺めるのが日課になっていたが、ある日、瑞穂は突然病院から姿を消してしまう。職員達の噂では、駆け落ち同然に結婚して辞めてしまったのだという。あまりのショックに、俊輔は再び希望のない日々を送るのだと落ち込んでしまう。
しかし……。その数日後に奇跡が起きた。
バイトの配達で訪れた新築のマンションで、俊輔は瑞穂と劇的な再会を果たしたのだった。これは偶然じゃない……。二人は結ばれる運命にあると俊輔は確信した。だが、二人の間に邪魔なモノが一つあった。それは瑞穂の夫・孝志(たかし)の存在。
自分達が結ばれる為にはどうすればいい……?
考えに考えた末、俊輔は行動に出た。瑞穂を誘拐し、自分の部屋へと連れて来たのだ。隣に建っている工場が一日中騒音をまき散らしていて、住んでいる住人は俊輔の他には耳の遠い老人のみ。そんなアパートへ瑞穂を連れ込んだ俊輔は、早速欲望にまみれた『新婚生活』をスタートさせた。
「瑞穂さん、俺の○○を産んでください」