今世紀半ば――「少子化の原因は世に氾濫した○○なメディアや行為が元凶だ」という理論の元『生殖目的以外の全ての性行為を禁ず』――『Sexual Misconduct(淫行) 禁止法』が施行された。俗に言う『SM禁止法』だ。直接的な性行為はもちろん、性的な絵や文章を読んだり書いたりする事すらも禁じる――これにより、性的なものはこの世から排除され消え失せることになる――。
『SM禁止法』施行から幾年月。物語の舞台となるのは禁止法に違反した若者を隔離するための施設「誠憐学園」。表向きは職業訓練し仕事を斡旋するという事になっているが、実は「令嬢」と呼ばれる「権力者に仕え、性の奉仕を担う存在」を育成するのが本当の姿だ。――その「令嬢」候補に選ばれた“姫乃百合亜”。――百合亜に仕えたいと名乗り出る、まるでフランス人形のような端正な顔立ちをした謎の令嬢のメイド“有栖”。――そして、学園の寮で出会う事になる、スポーツが得意でボーイッシュな“仁科絵理”とお嬢様でクールビューティーな元誠憐学園学生会長の“九龍葉月”。百合亜は彼女たちと共に、毎日休むことなく、男達の激しい性欲に打ちのめされ、その性的嗜好を矯正され、アブノーマル覚醒への門の前に跪かされる事になる。