それは朝の風景、満員電車にゆられて会社に向かう、お兄さまと私。その電車の中で私は痴○に遭い、身体をまさぐられる。それに気付いたお兄さまは私を助けるどころか、痴○と一緒に――…。
このところ毎朝、こんな夢を見て目が覚める。だけどそんな事はあり得ない。だってお兄さまは、一年前から○睡状態なのだから――…。私たち兄妹は早くに両親を亡くし、お兄さまは若くして祖父の会社を継いだ。
そしてある日突然倒れ意識不明に。それ以来ずっと、再びお兄さまの目が覚めるようにと神に祈り続けている。だけど祈りは届かない。
もしお兄さまを目覚めさせてくれるのなら、悪魔でもいい――…。
※この作品は『私の中で淫魔が疼く』の改訂版です。