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「入れただけでこれとは…。はしたないな、姫」
故郷の村を守るため、生贄として大江山に住む鬼・酒呑童子に捧げられることになった凛。恐ろしいけれど、これも使命のため。そう思って体をこわばらせる凛の前に現われたのは、鬼とは名ばかりの美しすぎる一人の男性だった。
「ぬしは、私に媚びなければ」
そうささやく彼から絶え間なく与えられる甘美な愛撫に、純白の体は蜜を溢れさせて――…。
“恐ろしい鬼”と聞いていた。でも、宝物に触れるように私を抱く彼を、私は鬼とは思えない――。
恋の糸が複雑に絡み合う、妖艶で絢爛な恋物語。