今から250年ほど昔のことである。あの忌まわしい“妖精王の災い”のため、25億にまで減った人類は生き残りを賭けて大戦争を起こしさらに人口は減った。この時とばかりに覇を唱える旧大国や秘密結社(もはや秘密でも何でもないが)。その中で、精神エネルギーを兵器化することに成功した一団がいた。D∴A∴W∴N∴
旧連合国が連合する前から脈々と存在していた秘密結社は一躍歴史の表舞台に立つ、はずだった。
……内部抗争さえなければ。彼らは“エンプレス”を残し崩壊した。
世界はいまだ混沌としている。そして失われた古代文明の力こそが覇権を握る術であることを、権力を欲する者達は知っていた。
凄腕の拳銃使いクライド・ゴーン・ラストメサイヤは賞金首として追われる身であった。今日もまた過去の因縁から男達に襲われたが難なく撃退。放浪の旅は続く。そんなある日クライドは幌馬車で移動中、峠道で豪雨に見舞われる。襲い掛かる人間には負けることはないが、さすがのクライドも自然災害の前になすすべもなかった。豪雨の中強引に先を急ぐ御者が操作をあやまり、クライドは幌馬車ともども奈落の底に突き落とされたのだった。
目を覚ますとそこは修道院だった。どうやら最悪の事態は免れたらしい。だが右腕と左足に大怪我をし、とても満足に動けそうにない。寡黙だが包容力のある神父や5人のシスターたちとの生活が始まる。