■篠原 智裕(しのはら ちひろ) (CV:マイケル田中) 20歳。 カフェ・リンドバーグのギャルソン(アルバイト)。実年齢ではいちばん若いが、アメリカ留学をしており、スキップをして向こうで大学を卒業している。そのせいか、精神的にはかなり大人。人間が大好きで、ひとを喜ばせるのが好き。いつもにこにこしていて、人あたりもやわらかく、接客業が性に合っている。束縛されるのはあまり好きではないため時折スポットで知人の店でヘルプをしていたが、もう一人従業員がほしいと思っていた桐野にスカウトされて正式に(?)アルバイトをすることに決めた。誰に対してもオープンにつき合うが、なぜかある人物にだけは微妙な屈託を見せる。 「なんとなく。さっきのあなた、困り果てて泣きそうって顔してたから」 「一ノ瀬、僕が代わる」 「うん。でも三原さんなら大丈夫だって思ってた」
■一ノ瀬進哉(いちのせ しんや) (CV:緑川 光) 22歳。 カフェ・リンドバーグのギャルソン(アルバイト)。この春、大学を卒業したばかり。就職が決まっていたが、入社直前に会社が倒産してしまい、突如就職浪人になってしまった。会社の寮に入る予定ですでに前のアパートも引き払う手続きをしてしまっていたので、いい機会だと思って家財道具などをほとんど処分し、しばらくツーリングの旅を楽しんでいた。東京に戻ってたまたまカフェ・リンドバーグに立ち寄ったことがきっかけでバイトをはじめることになった。現在は桐野のマンションに間借りさせてもらっている。バイクに乗るのが好き。口数は多くなく、ぶっきらぼうであまり愛想はよくないが、照れ屋なだけ。根はかなりまじめで一途。桐野を尊敬している。 「すいません‥‥」 「俺、‥‥いると邪魔ですか」 「さっき、ごめん。いろいろやってもらった」
■三原 拓実(みはら たくみ) (CV:請 一郎) 28歳。 カフェ・リンドバーグのパティシエ(従業員)。店で出すケーキの一部の制作や飾りつけ、その他の軽食の調理を担当。自分で皿を運ぶこともある。もともと手先が器用なたち。ふとしたことからお菓子作りに興味を持ち、高校卒業後、専門学校へ進んで本格的に製菓を勉強した。その後グループの各店に届けるケーキを制作する通称「工房」で働いていたが、出向という形でカフェ・リンドバーグでパフォーマンスも兼ねたシェフ役をすることになった。パワーがあり、感情もストレートに表現する。面倒見のいい兄貴肌。いずれは工房に戻らなくてはいけないが、今の仕事も楽しいので、自分から戻るつもりは今のところない。 「キス‥‥していいかな」 「‥‥しょうがないやつだな」 「ケガは? 手切らなかったか? ‥‥あ。ばか、切ってるじゃんかよ」
■高見沢 司(たかみざわ つかさ) (CV:プログレス) 32歳。 カフェ・リンドバーグのギャルソン(従業員)。もの静かで穏やかな性格と人柄。いつも控え目に微笑んでいて、強い自己主張などはしないが、芯は強い。人嫌いではないが、他人と触れ合ったり深くつき合うことに苦手意識を持っている。そのため、意識的に周囲から距離をとろうとする。すこし離れたところから多少の憧れをこめて人間を見ていることは好きなので、接客業は嫌いではない。基本的にラクトベジタリアン。精神的な理由によるもので、他人の目があるところでは肉・魚類も食べるが、ほんとうは食べたくない。 「やっぱりそうだ。タイが曲がってる」 「本当に少し、考え事をしていただけで――たいしたことでは、ないんですが」 「ああ――ごめん、引き止めて。またあとで」
■桐野 逸樹(とうの いつき) (CV:一条 和矢) 43歳。 カフェ・リンドバーグのマスター。雇われマスターだが、カフェ・リンドバーグの経営は実質上すべて任されている。店のオーナーとは学生時代以来の長年の友人。今は他人に譲ってしまったが自分の店を持っていたこともあり、オーナーには腹心として信頼されている。いつもかすかな微笑を浮かべており、本心はなかなか読ませない。誰に対しても穏やかで丁重な物腰を崩さず、相手がどれほど年下でも必ず敬語で話しかける。 「準備が早いのも仕事ができる証拠ですよ。私の目は確かだったということです」 「私でよかったら、話を聞きますよ」 「もちろん、そのあともつき合ってもらいますよ。あたりまえでしょう」