主人公が海外の商談先から帰国すると普段は多忙でほとんど顔をあわせることがない父親からの急な呼び出しがあり、話を聞いてみると、自分が不在の間に勝手に縁談をまとめてきた。
しかも相手は国内でも有数の古い歴史を持つ貴族の家の生まれらしいが現在は没落して我が家が借金の肩代わりをしているとのことだった。
さらに驚くことに、既にこの屋敷に先方のお嬢さんが来ている。
さすがに反論しようとするが、それをさえぎるように父親が扉に向って声をかけ、女のコを部屋に招き入れてしまう。
そのまま父親の勝手な解釈で話が進み何も言えぬままその日の夜を迎えた。
疲れ果て部屋のベッドに横になっているとふいに扉がノックされ応対してみると昼間紹介された女のコが立っていた。
急に自分の部屋に押し掛けてきた理由はなんなのかやはり婚約などなかったことにしてほしいとでもいう気なんだろうかと思っていると
「あ、あの……夜分遅く、ごめんなさい。その……わ、私を抱いてくださいませんか?」
急に女のコからの提案に面食らってしまう主人公しかし所詮、主人公も男である。
結局そのまま勢いで体を重ねてしまう。
その翌日、父に呼び出され昨晩の彼女のことを聞かれ戸惑う主人公どうやら昨日の出来事は父親の差し金だったらしい。
しかも父親は彼女との間に早く○○を作るように厳命する。
(……いいさ。親父が彼女を身籠らせろというならお望み通りにしてやる。でも思い通りになぞ、なってやるものか。)
その後、部屋を退席し廊下を歩く主人公の背中はすこぶる楽しそうに見えた。