ころなは、街でスカウトに声をかけられ、くだらない深夜番組の水着エキストラとしてチラッとTV出演することになった。
続いて、ころなはとあるオーディションへのエントリーを勧められる。
保護者として渋ってみせる兄のあつしと、迷っているころなを乗せるため、スカウトはうまいこと言って説得しまくる。
優勝賞金、写真集撮影のための海外ロケの約束、契約金……。
決まったことであるかのように熱く語るスカウトだが、あつしは冷淡だ。
だが、スカウトのたったひとことで、あつしの態度は180度豹変した。
「海外ロケは、もちろん家族同伴です!」。
さらには、人気アイドルの誰それも同行し、あつしに紹介するとか。
あつしの黒い野望はどんどん広がっていく。
近所で、学校で、鼻高々にあることないこと自慢話を言いふらす兄妹。
夏休みに入ったら、さっそくハワイロケだ!と、得意満面。
だが、あつしの幼なじみリョウだけは、その話を聞いて鼻で笑った。
リョウは、父が芸能プロの社長であること、母が元女優であることなどを嫌味ったらしく明かし、いかにオーディションでの優勝が難しいか、素人がいかに騙されるかなどをとうとうと語るのだった。
かさに掛かったリョウは妹のレイナの話を始める。
子役経験もあり、コネもあるから、レイナくらいなら楽勝なんだが……とか。
それを聞いたあつしは、かえって燃え、リョウを挑発。
リョウも後には引けなくなり、「勝負だ!」ということになる。
ひきこもり特訓の日々が始まって数日後、レイナを連れたリョウが突然訪ねてくる。
勝ち誇ってあつしを嘲笑うリョウだが、後から出てきたころなの悲しげな表情を見て慌てる。
リョウがなぜかころなに弱いのだ。
リョウは慌ててころなのフォローに入るが、レイナが挑発的発言で火に油を注ぐ。
場を収めるべく、また、ころなと近づきたいリョウは、「ウチの地下スタジオで合同特訓と行かないか!?」と、提案する。
4人を迎えた元女優だというリョウの母、レイコは、ころなとレイナがオーディションを目指すという話を聞き、大いに喜び、不敵に微笑んだ。
「協力は惜しまないわよ」。
そして、本格的な特訓の日々が始まる。