毎日をただ平凡に過ごしていた「神野崎 悠」は、都内でも有名な学園に通っていた。この学園は就職難や教育の遅れなどの問題を一括で解決するために、学園から就職までをエスカレーター式にした試験的に立てられた学園だった。悠も例外ではなく、この学園に通っているのは安定した生活と親から離れて自立するためだった。
今日もいつもどおりに学園に通っていた。放課後に差し掛かった頃、彼は陸上部に所属していたが、怪我によって自粛中の状態にあり、帰宅しようとしていた。
すると校内に放送が流れ、悠を含め6名の学生が理事長まで呼び出される。呼ばれることに身に覚えが無い彼は頭に疑問符を浮かべながら、理事長室に向かった。理事長室に到着すると、理事長の「蒼里 大二郎」が立っていた。
「君たちはいま部活動をしていないだろ?」と理事長の言葉に疑問符が浮かぶ他の5人とは違い、悠にしてみれば今の陸上部は自粛中なので、抗議をしようとするも……
「私が作った部活に入って、青春を過ごしたくないか? そうだろ? そうに決まっている」
有無を言わさず続ける大二郎。
「この学園は優秀ではあるが、何かが足りない…… それを君達に作ってもらいたいのだ」
少しの間をためて、大声で解き放つ。
「幸せだぁーーーーーっ」
理事長室が凍った瞬間だった。突然のことに戸惑う彼らは理事長に幸せを作る部活として「ハッピーファクトリークラブ」(通称HFC)と呼ばれるダサい名前の部活に彼らを強引に入部させるのだった。
ひとまず帰宅した悠は納得がいかず、次の日に抗議しに行くことにした。次の朝、登校し早速理事長のもとへ向かう悠。陸上部の事情を理事長に話し、抜けさせてもらおうとするが、ある条件を出されたことにより悠は入部を決意する。
それはこの部活動を成功させ、学園を明るく幸せにできた場合、卒業後でも通える最高の職場に就職させてくれるということだった。自立したい彼にとっては魅力的な条件なため、甘い誘いに乗ってしまい入部する。
いち早く理事長を満足させ、陸上部に戻ってあとは卒業を待つだけにしたい彼はさっそく放課後部室に向かうと、そこには顧問にさせられた悠の担任でもある「赤坂 莉美」だった。いつものように半べそをかきながら、悠にメンバーを連れてくるように頼み込んでくる。
初日から挫けそうになる悠だった。そんな日常に変わっても、今日も負けずに走りつづけるのだった。