時は江戸時代。
ある夜、堀部定兼はとある屋敷の前で摩訶不思議な色合いの左目を持つ少女に出会う。
本能からなのか、それとも定めであったのか分からないが、堀部はその少女に神々しさを感じてか跪いてしまう。堀部本人は何故そんな事をしてしまったのか分からなかった。
その少女はそんな堀部を見ても驚きもせず、また会うことになるであろうと言って屋敷の中へと入ってしまう。
数日後。
藩主・佐々義臣の娘である三日月姫(みかづきひめ)に仕えよ。姫の命令は絶対であり、殿の言葉と思え、との通達が来る。素直に従って三日月姫が住まうという屋敷へと向かう。すると、そこは数日前、神々しいと感じた少女が入っていった屋敷であった。
屋敷の中で、あの夜出会った少女と出会うも、左目に眼帯をしていて神々しい目を隠していた。その少女こそが三日月姫であった。
堀部が話しかけると、少女は不機嫌になり、主である余が良い気分でいたのにぶちこわしにするとは何事じゃ。自分の立場をわきまえよ、と言われる。反論しようとするが、命令を伝えた者から私の言葉を殿の言葉と思えと言われなかったかと確認され、その通りだと答える。
『お前は余(よ)の家来になったのだと何故分からん、その身体に教えこまねばならぬな。そうじゃ。お主、余の犬になれ』と、命令されるのであった。