「僕だけに見えるソラの花を、僕は、誰に、贈るのだろう――」
――吸い込まれるような、空の青。
見上げていれば、どこか自分が溶けていきそうに感じるんだ。
僕には一つだけ、与えられた力があった。
けれど、それをみんなには言えない。言えることじゃ、ないから。
この力を持っている人は、僕だけじゃないだろう。
でも、普通はみんなそれを隠して生きているんだと思う。
だから僕も……
本当のことは心の中に隠したままで、どこか、自分を空に隠して、
きっとこれから、そうやって生きていくんだ――
「見つけた!」
けれど、そんな僕を、彼女は見つけてくれた。
僕を見つけて、すごく嬉しそうな笑みを浮かべてくれたんだ。
僕は、ただ嬉しくて……
僕に出会って、笑ってくれたことが、
僕の力を喜んでくれたことが、ただ、嬉しかった。
その姿が、僕に――いや、僕のような人間にしか見えなくても。
彼女はもう既に、この世に体が存在しない、
幽霊と呼ばれる存在であったとしても……
僕たちは、関わり始める。
幽霊と、人間。
二つの存在が交差する、その学園で……
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