そんな簡単に『絆』なんて言わないでよ…。
赤い糸なんてあるわけないじゃない!
家族の温もりを知らず、世間の冷たい風にあたってきて、少しばかり排他的に育った…そんな主人公、沢村司が、路地裏で倒れているところを助けた女のコ、春香。
司の提唱するところの「もっとも関わり合いになってはいけない」タイプだが司は、その少女……春香を助け、同居生活をするはめになってしまう。
それをきっかけに、司の周りに集まる問題ありげな人々。
春香と二人で生活を始めた矢先に押し掛けてきた謎の男、筧。
温かい家族を求める流浪の少女、末莉。
アパートの大破により大家から追い出された司の前で、橋から落ちかけていた、真純。
一軒の温かそうな古い一戸建てを見つけた一行に、家屋の所有権を主張する青葉。
司のかつての同級生で街の裏便利屋さんを生業とする、準。
彼女等の共通点は……実の家族の欠落。
やがてこの集団は、余儀なく共同生活を強いられていく。
家族計画―――
それはモラルも考えも嗜好も全く異なる、社会から浮いた存在のアカの他人同士が、お互いの利益のために同じ屋根の下で世間と自分を欺きながら家族として集結する “相互互助計画”。
渦巻く思惑、反発しあう感情とぶつかり合う個性、そして仕組まれた危機の向こうに、この悲劇的喜劇を演じる擬似家族の明るい未来は果たしてあるのだろうか?