初の学園モノとして話題を呼んだ「黄雷のガクトゥーン」の続編が登場!
前作から一年が経過した学園を舞台に、忍び寄る新たなる影に主人公たちが動き出す!
──輝き、尊ばれるもの。
──誰も彼もが羨むもの。
──それは、あの日の夜にも確かに存在していたはずだった
1909年、4月。欧州、マルセイユ洋上学園都市。
先端的機関科学に基づいて形作られた都市。世界最高の碩学を生み出すための学園。華やかなる蒸気文明によって汚染された海の上にあって、汚染された空の下にあって、けれどもそこは、青春を謳歌する10万人の若者たちの輝きで満ちていた。
失われた太陽を思わせる活力と熱意に溢れて。
失われた星々を思わせる美しさを煌めかせて。
──学園都市最初の転校生、ニコラ・テスラが訪れてから実に1年が過ぎていた。輝きは失せることなく、『薔薇の瞳』事件の記憶、すなわち、学園都市の空を覆った邪悪なるものの野望の記憶も学生の記憶からは徐々に薄らぎつつあった。
輝きは瞬く。
輝きは続く。
それこそ無数に、数限りなく。
若く瑞々しい輝きたちは時に触れ合い、寄り添って、日々を繋いでいく。学生のみで自治・運営される学園都市は、大小さまざまな変化を受け入れて、緩やかに形を変えながらもその輝きをは絶えることがない。
けれど、1909年4月某日。
彼らを見つめる静かにして幽明なる瞳があった。
灰色に覆われた空を、黒に染められた海を、そして、輝きを放つ若い命たちを見つめる鋼鉄と水とを混ぜ合わせた《硬く柔らかな瞳》が──
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