後編は比呂さんの視点で展開。彼の人となりが見える。
恭太くんとの記憶が無い比呂さんだが,親交を深める内に芽生えた恭太くんへの想い――は,しかし恋愛感情ではない。
この点が何ともリアルだ。可愛くて大事で抱きしめたくなる…でも恋愛感情とは違う。こういう感情に居場所を与える作品は貴重。
恭太くんが比呂さんの同業の男に傷つけられ,恭太くんを守るため手放そうと決意する時,比呂さんは自分がゲイであればよかったと悔やむ。”恭太が女であればよかった”ではない。ノンケである比呂さんが,恭太くんというゲイの青年と生きていく為の名目の無さに悩み苦しむのだ。
ふたりはすれ違っていたのではなく,(殆ど終始)比呂さんサイドからの徹底的な歩み寄りがあった…それこそこの物語を照らす最大の光ではなかろうか。成程ヤ●ザには向かない人柄だ。
比呂さんがノーダメージでその手を離したと思わないで,と恭太くんに伝えたい。
繋がりを断ってからずっと,会いたいと苦悶するのは比呂さんなのだ。それでも恋愛感情じゃない以上もう会えない…聴いていて胸が苦しくなる。
愛とは何か?という問いに1つの答えを見出す作品。最後には必ず幸せな気持ちになれる。ぜひ最後まで聴いて!
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