――むかしむかし。
あるところに、ふたりのお姫さまと、ひとりの男の子がいました。
お姫さまは王族。男の子は平民。
身分の違う三人。
でも、三人は兄妹のように仲良しでした。
「もーぅ。セリは手をはなすのだー」
「いやです〜。おねえさまこそ、はなしてください」
「だめーっ。かずのりはわらわとお外であそぶのだ。昨日からのやくそくなのー」
「わたしはいっしょに本をよむって、一昨日からやくそくしてたのです〜」
ぎりぎりぎりぎり。
「いた……いたいよ……。セラもセリも、ひっぱったらいたいよ。うでがちぎれちゃうよ」
「ほらー。セリが手をはなさぬから、かずのりがいたがっているであろう。いいかげんにするのだ」
「おねえさまのせいです。わたしのほうが先にやくそくしてたのです。おねえさまがはなすべきです」
「わらわだってちゃんと指きりしたのだ。やくそくしたのだ。今日っていってたのだ」
「わたしだってそうです。指きりしたんです。やくそくしたのです。おねえさまより、さ・き・に、今日ってきめてたのです」
ぎゅむー……ぎりぎりぎりぎり。
「い、いたいよー。やめてよー。はーなーしーてーよー」
ぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎり。
「あーん。あーん。いたいよーっ。あーん……」
訂正いたします。
――むかしむかし。
あるところに、ふたりのお姫さまと、ひとりの男の子がいました。
…下僕の。