彼は、脊椎カリエスで一年休学した、一つ年上の同級生。 蝋みたいな肌に、薔薇色の頬…別世界の住人のような佇まい。 誘う彼。惹かれる僕。花に蕩ける蜜蜂のように。 「…ね、次はもっと深く…してみない?」 僕の射精を口で受け止めながら、彼は――。 それは性愛なのか、恋愛なのか。 小野塚カホリが描く、堀辰雄が記した脆く儚い思春期の秘め事。