俺はあの老婆を殺したのではない。多分老婆へのあの一撃で俺は俺自身を殺してしまったのだ――熟練の手で紡ぎ直す、ドストエフスキーの世界。 あの名作「罪と罰」が、汐見朝子の艶やかな筆致で、鮮やかに現代に甦る!新しく吹きこまれたラスコリニコフの生命と情念を、とくとご覧あれ!