〔Kindle復刻版〕「人体ラジウム療法講義」松本道別著

─本書「序論」より抜粋─
【最新最高の包括的霊術】
人体ラジウムの応用なり効能なりは、単に病気治療と健康法に止まるものでは無いが、人間の最大不幸は疾病嬴弱(えいじゃく)であって、最大幸福は無論健全に若(し)くものが無いから、利用厚生の第一として、病気治療と健康法とに重きを置き、人体ラジウム療法の名を冠して応用方面を代表せしめたのである。
だから名は療法と称するけれども、療法以外に、修養法、伝想法(読心術)、催○法、帰神交霊法などの諸科目を具有し、精神が肉体を自由自在に支配して不随意筋に及ぶ現前の事実を示して病の気から起こる所以を確信せしむる為には、奇術に類したる刺針、踏刃、擦刃、鉄火、渡火、熱湯などの諸術をも科外として附加するのである。
故に我が人体ラジウム療法は殆ど一切の霊術を包括し、而して最新最高の科学的霊学霊術たることを断言して憚らぬのである。
……略……
【卓越した未成品】
固(もと)より予は大なる確信を以て我が研究を公表し宣伝するのであるが、前人未発の真理を発見し千古の疑問を解決することは、実に容易ならざる大問題であり又大難事である。
故に予の研究は普通霊界者流の空想独断的演繹法を避け、専ら科学的実験実証を以て比較研究を為しつつ帰納的に最も正確なる真理を捕捉することに苦心し来たったのであるが、未だ以て完全無欠なりとは断言し難い。
されば予の学説及び療法は、今後予の研究の層一層進歩発展するに従い、絶対に其の変更なきを保し難いが、とにかく徒に前人の糟粕を嘗めたもので無きのみならず、慥(たしか)に今人の研究に一歩を抜き、世界の学会に焰々たる革命の猛火を投ずるものたることを公言して憚らぬのである。

■目次
はしがき
人体ラジウム療法講義録 序論
学理篇（人体ラジウム発見の動機）
修養篇
一、呼吸法
1、深息法
2、胎息法
3、強息法
4、行気法
二、霊動法
1、霊動自発法
2、霊動他発法
3、霊動療法
4、気能試験法
三、観念法
1、観念自動法
2、観念硬柔法
3、観念脈拍法
4、観念感覚法
5、観想法
四、精神集注法
五、統一無我法
六、鎮魂法
七、気合法

※本書は国会図書館デジタルコレクション所蔵、大正十年発行「人體ラヂウム療法講義」松本道別著を底本とし製作した。
※旧漢字で一般的新漢字がある場合は新漢字に改め、現在は使われていない漢字（または漢語）が多数あるため適宜ルビを附加し、更に分かりづらい単語（漢語等）には註としてその意味を段落末に追加した。


※「元ネタ：パロディ」としていますが、パブリックドメインの電子書籍復刻版です。