デイグラシアの羅針盤

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作品ID:ITM0121587
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メンバーレビュー

5/5(4.9) (10 件のメンバーレビュー)
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レビュー数:全 10 件
5/5(5.0) ノベルゲームの新機軸。
かの名作『Ever17』にオマージュを捧げた、と明言する本作『デイグラシアの羅針盤』は、そうして自ら上げたハードルを軽々と乗り越えた。
深海の閉鎖空間という舞台設定や、サスペンスフルな展開は否が応でも興奮を煽る。

しかし、既視感があるのはそこまで。

本作は、ノベルゲームでありながらノベルゲームの在り方を問う、いわば「アンチノベルゲーム」。
ノベルゲームのプレイヤーが必ず直面する「ある行為」を、本作は批評的に問うている。
おそらく商業も含め、前例がないであろうギミックには参った。

本作の独自性は、膨大な知識に彩られたシナリオにもあらわれている。
深海、天文、遺伝、文学、自由と平等……様々な分野の知識はそれ単体でも興味を惹かれるが、
巧みに組み合わされることで、どれ一つ欠けても成立しない、類まれなバランスを構築している。

10時間以上に及ぶプレイ時間が短く感じる、密度の高いシナリオを「読むだけ」のノベルゲームだが、
本作の読書体験を通して得るものは非常に大きかった。

読み物として、非常に上質な作品。
同人ゲームやノベルゲームに馴染みの薄いユーザーにこそプレイしてもらいたい良作だ。
このレビューは、 2 人中、 2 人の方が「参考になった」と投票しています。(キャッシュの都合上反映に時間が掛かる場合があります)
5/5(5.0) 完成度が高い
最後まで一気読み。
ミステリとしてのトリックにも唸らされたが、それ以上に主人公の行動の意味について、作者が込めたであろうテーマに感心した。

主人公は繰り返し、仲間を助けようと「過去をやり直す」が、某キャラが言うように「過去を変えることはできない」ことは明らかであって、一見すれば意味のない行動だ。
これはノベルゲームのプレイヤーが、登場人物の悲劇を味わった上で、最後に「最善の結果」に到達してカタルシスを得る身勝手さに対する皮肉にも読める。

だが、本作品は、そのような批判を目的としているわけではない。

主人公は、死んだ仲間たちの「ありえたはずの可能性」を追体験することで、彼らがどのような人間であったのかを深く理解する。それは同時に、自らの過ちへの後悔と苦しみをも深めることにもなる。
それでも主人公は、繰り返し時を遡る。それが唯一、死者が歴史の影に埋没することを避け得る道だからだ。どんなに苦しもうとも、主人公は仲間のことを知り、語りつぐことで、彼らを救済することを選ぶ。

本作は、この「生者が死者に捧げ得る唯一のこと」描き切ることに収斂していると言っても過言ではない。
この完成度の高さに、敬意を表したい。
このレビューは、 2 人中、 2 人の方が「参考になった」と投票しています。(キャッシュの都合上反映に時間が掛かる場合があります)
4/5(4.0) 羅針盤がしめすもの
投稿者: きんもくせい81515 - 本レビュアーの他レビューも見る
「デイグラシアの羅針盤」
とあるキャラの言葉によってタイトルの意味が理解できたとき、納得し感銘を受けました。
「極限の脱出」「深海SF」「巧みな伏線」こういったキーワードに惹かれて作品を購入、睡眠時間を削って一気にプレイしました。
オマージュにした名作AVGより「孤立した深海」を意識させる舞台と何をどう解釈するかをプレイヤーの考察に託したストーリー構成は製作者さんの意図が光ります。
「生きること」「選択」「可能性」「生者と死者」「因果律」「罪」
多くのテーマを盛り込んで破綻することなく読ませた物語はお見事でした。
最初のプレイでは意味不明なあるいは状況を悪化させているとしか思えない行動をとっていたキャラクターたちでしたが、最後までプレイしたとき彼らは彼らの「羅針盤」に従っていただけだったのだと納得しました。結果的にそれが最悪の未来になったとしても彼らにとっては紛れもなく最良の選択だったのだと。そしてそれは潜水艦の中だけでなく、潜水艦の外でも行われており、すべてはその選択がもたらしていたのだと。
ゲームの中でプレイヤーに示される最初で最後の選択肢、それは彼らの羅針盤に「デイグラシア」をもたらせたのでしょうか。
このレビューは、 2 人中、 2 人の方が「参考になった」と投票しています。(キャッシュの都合上反映に時間が掛かる場合があります)
5/5(5.0) 手が届く物語、手が届かない物語
物語の類型として「ループもの」と呼ばれる類の、人生の「やり直し」をテーマとする作品があります。
「やり直す」ための手段は魔法であったり、機械であったり、作品によってまちまちです。
しかし多くの場合では「やり直し」の果ての結果として、失ったものを取り戻し、物語は決着を迎えます。

そうした展開を見る度に私は、登場人物との剥離を感じて寂しく思っていました。
当然ながら、現実世界では本当の意味で「やり直す」ことは絶対にできません。
だから、過去への挑戦に奮闘する登場人物の姿を、「手が届かない」遠い存在に感じてしまい、嫉妬にも似た疎外感を感じてしまうのです。

そんな狭量な私にとっても、この「デイグラシアの羅針盤」は、最後まで「手が届く物語」でいてくれました。
複雑怪奇な運命に心傷つけられた「彼」が、最善の結末を目指し続ける姿を、見守ることができました。

それはこの物語の終着点が、私達の生きる現実と地続きであると思えたからです。
これまでずっと見たかった物語の一例を示された気分でした。

「彼」にあれほど過酷な運命を与えた決断に、感服の意を。
そして、この複雑で知的な物語を完成させた手腕に、感謝の意を覚えます。
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5/5(5.0) 人間的ノベルゲーム
投稿者: アールイエヌ - 本レビュアーの他レビューも見る
魅力的な舞台設定に興味を惹かれ、プレイしてみました。

これまでのレビューで述べられているとおり、様々な要素が盛り込まれた作品であり、またそうした科学知識や衒学が適切なタイミングに自然に挿入されるシナリオがまず魅力的でした。
またノベルゲームの一般的な特徴でもありますが、複数のルートシナリオをクリアするごとに、各キャラクターの人格の奥行きが増していくのを感じました。
最初はプレイヤーにとって理解不可能な言動を行う登場人物も、他のルートシナリオやエクストラを経ることで、個々人がそれぞれの人格と規範と指針を持ち行動していたことが分かります。
作品全体を通してキャラクターの表面と深層の両方が描かれており、人間を感じることのできる作品でした。

またシナリオ以外の点では、かっこいいOPムービーやBGMをはじめとする楽曲が凝っていました。
さらに楽曲に関しては、ゲーム中のMUSICでそれらをいつでも聴くことができて嬉しかったです。
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5/5(5.0) 思考性が高い良質のベル
ノバルとだけあって、基本は読みもの系です。
ですが、反復というロジックがあって成り立つ作品。

オマージュされた作品は、いずれも完成度が高い作品ですが、
本作も思考性が高く、面白い体験ができました。
このレビューは、 1 人中、 1 人の方が「参考になった」と投票しています。(キャッシュの都合上反映に時間が掛かる場合があります)
5/5(5.0) 物語の真実は
まず初めに。
SFノベルが好きな人は遊んでみて損はないと思います。私はとても楽しめました。
読んで欲しい小説の素晴らしさを何が?どのように?面白かったと語るのは既読者間で
やれば良いと思うので未読の方は、まずは遊んでみて下さい。
で、以下に書くのは既読者に対してとなります。
極力避けますが多少ネタバレも含まれるので目を通す際には注意してください。

ネット上で散見する物語の真実とやらがど〜〜にも納得いかないので私も持論を残します。
まず、この物語の中で確定している事実って、33/8/1以前の過去と冒頭のエピローグくらいだと思います。
そして、冒頭が真実であれば”彼”にメッセージを送った人物が船内の情報を得る手段は…?
冒頭で救出されたと書かれていた人物は? 等々整理すると、ねぇ?
何のことか判らない未読の貴方は是非、読んで下さい。
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5/5(5.0) 単なるEver17のオマージュではない
投稿者: ほのぼのみんまや - 本レビュアーの他レビューも見る
海中での事故、そこからの脱出劇といった要素は踏襲しつつも、まったく異なった視点で物語を切り開いてます。
”結末を決めるのは読者である”というスタンスだからこそ表現されているものが確かにありました。
特に、選択肢のあり方や物語を反復する意味については考えさせられました。
読んで考えて楽しめるノベルゲーム。一粒で二度おいしいです。
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5/5(5.0) 出会えて良かった!
本作品はノベルゲームに類するものではありますが、多数の選択肢を選んだ結果で様々に分岐するようなタイプのものではない為、そういったゲームに不慣れな方でも全く問題なくプレイできます。
内容を読む事と考察に集中でき、手がかりも答えも作中で示されているので、その点はなく頃にシリーズに非常に近いと言えます。
そういった謎があり考察できるゲームが好きな方や、凝ったSFが好きな方にオススメできるゲームだと思います。
エクストラが全て解放されてそれを読み終え、最初から最後までの内容を踏まえて考え、答えに辿り着いた時がクリアって感じでしょうか。
個人的に、最近商業であまり出ないような面白いゲームが同人から複数出て、このゲームはその一つでとても嬉しかったです。
今までやってきた中で、制作者様に特に感謝したゲームの一つになりました。
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5/5(5.0) 物語の終わりに見えるものは
投稿者: 青海ムツキ - 本レビュアーの他レビューも見る
「忘れたくない作品」「記憶を消してやりなおしたい作品」
そういう作品はいくつもあるけれど、この作品もその1つになりました。

「選択すること」はどういうことか?
「生きること」はどういうことか?

作品の内容について詳しく触れることは、作品の性質上、難しいです。
書けることと言えば「夜中にプレイすると、トイレに行けなくなる恐れ」があります。が、作品の本質はホラーではありません。不審な点や疑問に思う点も出てくると思います。が、それもプレイする中で徐々に明らかになっていきます。
この作品をプレイしている最中、辛く苦しく、投げ出してしまいたくなることもあるかもしれません。ですが、それを乗り越えた先に見えるもの、そこに「デイグラシアの羅針盤」という作品の本質が見えてきます。

強調したいのは「どうか、最後までプレイしてください。どうか、この物語の終着点まで辿り着いてください。」ということです。
「あの名作」のオマージュでありつつも違う、完成された1つの作品として、ゲームの歴史に残ってほしい。そんな作品なのです。
レビュー数:全 10 件

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